社会学評論
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観光という「イメージの織物」
奈良を事例とした考察
遠藤 英樹
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キーワード: 観光, メディア, イメージ
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2001 年 52 巻 1 号 p. 133-146

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抄録

現代社会において, 観光はますます重要な事象となっている.とくに, それはイメージを媒介することではじめて成立するという点で, 近代のありようと共鳴しあっていると考えられる.観光パンフレット, テレビ, 雑誌, 映画といったようなメディアを通じ, 観光地に対するイメージはたえず再生産されつづけており, こうしたメディアによるイメージの再生産に関する分析は, 観光という事象を語るうえで不可欠のものとなっている.本稿は奈良を事例とする意義について述べるとともに, 観光地・奈良のイメージを再生産するうえでメディアが重要な役割を果たしていることを指摘する.こうしたことについては, かつてD.J.ブーアスティンが指摘した問題圏にかさなるものであるが, ここではブーアスティンの指摘よりもさらに議論をすすめ, イメージの消費者たるべきツーリストたちが奈良という観光地をいかに読み解いているのかまでも考察する.それにより最後には, ツーリストたちが 「ブリコラージュ」の方法を用いつつ, 観光という「イメージの織物 (text-ile) 」を主体的に読み解いている姿を浮き彫りにする.

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