社会学評論
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「ジェンダーの社会学」と理論形成
江原 由美子
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2006 年 57 巻 1 号 p. 74-91

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抄録

本稿の主題は, ジェンダーの社会学が, 社会生活に対してどのような意味を持っているのかを, シュッツの社会的行為論の枠組みを使用して, 記述することである.本稿では「理論化」という行為を, 実践的目的のために, 情報を縮減することと, 定義する.社会成員は誰も, 社会生活に適応するために, 多くの「理論化」を行っている.「ジェンダー」は, 社会成員のこのような「理論化」によって生み出される「理論」の1つである.「ジェンダー」は, 人びとの知覚を構造化し, 男女間のコミュニケーションの困難性を生み出す.ジェンダーの社会学は, 男女間のコミュニケーション困難性を探求することによって, 男女の相互理解を促進することに貢献してきた.ジェンダー・バッシングは, こうした男女の相互理解に向けた活動を, 破壊したのである.

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