高度慢性呼吸不全患者の日常は終末期と並行しているという認識に立って,69名の外来経過観察中の在宅酸素療法患者にアンケート調査を行った.①患者はしばしば病気の将来を考え,安楽に自宅で過ごすことを希望した.②63.6%の患者は「死」を覚悟したが,呼吸困難度や病気の進行度が高度であると自覚した者に「死」を覚悟する者が多かった.③80.3%まの患者は「生かされている」という感覚につながる経験を有した.④この経験からアンケート調査時までの経過期間とHOT継続期間とは有意な相関関係にあった.医療従事者が慢性呼吸不全の終末期を認識し,患者の医療に対する自己決定権を援助し始める時期としてHOT開始時期をあてることは妥当であると思われた.ただ一部の肺気腫患者では終末期の判断を慎重にすべきである.