2007 年 17 巻 2 号 p. 175-178
症例は65歳の男性.1996年5月に筋萎縮性側索硬化症と診断され,同年6月より人工呼吸管理となった.当初自力で経口摂食でき,人工呼吸器を装着したまま発語も可能であった.その後病態は進行悪化してきた.2004年3月肺炎で入院したが,自力では寝返りも打てない状態であった.徐々に食事だけでなく発声も困難となった.気管切開カニューレのカフ上に開口するサイドラインチューブから酸素を注入して発声可能となり,QOLが向上した.発声を含めたコミュニケーションは大切であり,チーム医療として取り組むことが重要であると考えられた.