抄録
COPDの予後予測因子に関し,身体活動量が最も影響を与えることが報告されており,身体活動量の改善に対しては,非薬物療法として呼吸リハビリテーションの中で運動療法が中心となる.
COPDに対する運動療法の目的は,骨格筋機能異常による呼吸困難感の増大,活動性の低下,QOL低下,さらにディコンディショニングの増強という悪循環を断ち切ることである.運動療法の効果は,特に中等症で最も有効とされているが,GOLDにおいてすべてのCOPDに対し身体活動を向上させることと,呼吸リハビリテーションの介入を推奨している.
運動療法の実践では,運動中の低酸素の評価が重要であり,6分間歩行試験による労作中の評価が不可欠である.また,行動変容支援のためにアクションプランの作成,実践,そして再評価が重要となる.さらに,セルフマネジメント能力を改善させるためには,楽しく継続できる運動療法の指導も重要となる.