日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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原著
慢性呼吸器疾患患者における排泄中の低酸素血症
今村 祐一朗小嶋 圭介廣佐古 進平田 圭東 美保子柿本 裕貴岡林 比呂子濱田 昌平渡邉 玲子興梠 博次
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2016 年 26 巻 2 号 p. 273-276

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抄録

慢性呼吸器疾患患者の排泄行動時の,酸素飽和度,息切れの程度の変化を検討した研究は少ない.本研究の目的は,排泄中の低酸素血症を客観的に評価することである.2015年2月から9月の期間に当診療科に入院した慢性呼吸器疾患患者15名に対して24時間 SpO2モニタリングを行い,排尿・排便中のSpO2値低下の程度を分析した.対象患者の平均年齢は61.2歳,男性9名,女性6名であり,基礎疾患は間質性肺炎 10名,慢性閉塞性肺疾患(COPD)2名,リンパ脈管筋腫症1名,また,肺切除術後患者が2名であった。SpO2値が90%未満となった患者割合は,排尿時 66.7%,排便時 71.4%であった.6分間歩行試験が行われていた7名の患者において,排泄時のSpO2値低下の程度は歩行時と同程度であった。排尿・排便時に歩行時以上のSpO2値低下を認める場合もあった.今後,排泄中の酸素吸入量の再設定や呼吸法の指導が必要である.

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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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