2020 年 28 巻 3 号 p. 445-450
【目的】呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を施行した医療・介護関連肺炎(NHCAP)患者の臨床的特徴を転帰別で明らかにすること.
【方法と対象】肺炎の診断にて入院治療および呼吸リハを施行したNHCAP患者を対象に,対象者背景,肺炎重症度,併存疾患,身体機能,呼吸リハ関連項目,転帰について診療記録より後方視的に調査した.
【結果】解析対象者は83例(89[85-94]歳,男性37例)であった.転帰は死亡群30例,生存群53例であり,生存群のうち18例(34%)は退院先が入院前の生活場所から変更となっていた.死亡群は生存群と比べて身体活動レベルが低く,併存疾患や肺炎重症度もより重症であった.生存群のうち,退院先が変更となった群は,呼吸リハ開始までの期間が有意に長く,退院時に身体活動レベルが有意に低下していた.
【考察】NHCAP患者に対して早期の呼吸リハ介入,特に入院後可及的速やかな開始が身体活動レベルの維持につながり,入院前の生活場所への退院に影響する可能性が示唆された.