感情心理学研究
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第13回大会講演
The Writing Cure: How Expressive Writing Promotes Health
Joshua SmythDeborah NazarianMasanori OikawaHaruka Oikawa
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2007 年 14 巻 2 号 p. 140-154

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抄録

人は自らの情動を表出したいという願望を持っているが、その実施は困難であったり、社会的な問題を引き起こすことも多い。表出筆記とは、自らの感情を包み隠さず自由に書き表すことを指し、これは、制約下がある多くの状況においても行なうことができる。本論文は、筆記開示とその心身の健康に及ぼす効用についてこれまでの研究を概観していく。自らの感情を筆記することは、健常群でも臨床群でも心身の健康に効果をもたらすことが示されている。この効果は、文化を超えて、また幅広い参加者において繰り返し報告されている。本論文後半では、効果が生じるメカニズムと開示の弊害、そして新たな試みについて論じる。開示を行なうと、一般に短期的なストレス反応が生じた後、長期的な改善効果が見られる。このような開示の効果のメカニズムについては、現在までに、複数の見解が提案され研究が進められている。近年では、筆記開示は新たなテクノロジーと組み合わされて、様々な場面に適用され始めている。

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© 2007 JAPAN SOCIETY FOR RESEARCH ON EMOTIONS
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