研究 技術 計画
Online ISSN : 2432-7123
Print ISSN : 0914-7020
特集 科学技術・イノベーション政策科学の学際的アプローチ:より良いアジェンダ・セッティングのために
科学技術基本計画はどう変化してきたか:システム理論からの分析
田原 敬一郎吉岡(小林) 徹山野 宏太郎高橋 真木子
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2025 年 40 巻 3-4 号 p. 285-304

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抄録

科学技術・イノベーション政策は社会目標の重視とともに複雑化し,誰のどのような活動をどう評価するべきかがわかりにくくなっている。そこで本稿は,科学技術・イノベーション政策に関する3つのフレーム(1.リニアモデル,2.ナショナル・イノベーション・システム,3.トランスフォーマティブ・チェンジ)と,システム理論の2つのパラダイム(サイバネティクス,オートポイエーシス)の観点から体系的に科学技術政策を分析する。各フレームとパラダイムが想定するシステムの構成,境界,政策介入の仕組みを整理したうえで,具体例として6期にわたる日本の科学技術基本計画の変遷を検討する。その結果,第1~3期はフレーム1を基調としつつ,徐々に社会や産業との連動を意識するフレーム2的要素が強まった。第4期は震災を契機に対象システムが大きく拡張され,フレーム3の萌芽が見られるが,依然としてPDCAに基づくサイバネティックな管理手法が前提であった。第5期ではSociety 5.0 を掲げ,学習志向の評価や自律的システム間連携などオートポイエーシス的要素が明確化し,フレーム3への本格移行が始まった。第6期では社会変革志向が強まる一方,政策評価が政治システムの主導性を前提としたものに偏り,フレーム3との不整合が生じている。ここからはフレームとシステム観の違いに応じて適切な政策評価手法を選択する必要があることが読み取れる。

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2025 研究イノベーション学会
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