超音波検査技術
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研究
下肢筋の超音波画像によるサルコペニア評価—サルコペニアと深部静脈血栓症および炎症マーカーとの関連性—
渡邉 恒夫松野 寛子高田 彩永篠田 貢一野久 謙伊藤 弘康清島 満
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2018 年 43 巻 6 号 p. 692-700

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抄録

はじめに:加齢に伴う筋肉量,筋力の低下を示す状態をsarcopenia(サルコペニア)と呼ぶ.一方で,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis: DVT)は高い罹患率や死亡率に関連した疾患である.本研究では,超音波検査による下腿筋評価とDVT, および炎症マーカーとの関連性について検討することを目的とした.

対象および方法:当院生理検査室にDVTスクリーニング検査として下肢静脈US検査の依頼があった患者72名144肢(平均年齢66.3±14.25歳)を対象とした.これらを非サルコペニア群53例(平均年齢65.8±13.5歳;男性50肢,女性56肢)とサルコペニア群19例(平均年齢67.8±15.8歳;男性8肢,女性30肢)に分類した.超音波検査によって腓腹筋内側頭の筋厚と筋輝度を計測した.

結果:サルコペニア群の55.3%(21/38)にDVTを認め,非サルコペニア群の10.4%(11/106)と比較し高率であった(p<0.0001).筋厚はサルコペニア群で有意に減少し,筋輝度は有意に上昇した.加えてtumor necrosis factor-α(TNF-α)は非サルコペニア群に比しサルコペニア群において有意な上昇を認めた(p=0.014).

結語:今回の検討においてサルコペニア群では下腿筋厚が有意に減少し,DVT陽性率やTNF-αが有意に高く,サイトカインがサルコペニアの伸展に関与している可能性が示唆された.

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© 2018 一般社団法人日本超音波検査学会
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