2014 年 30 巻 2 号 p. 19-25
ストーマ造設を伴う大腸手術において腹腔鏡は、ストーマケアを容易にする有用な手段である。われわれの本手術手技の要点は、1)面板貼付部位外のポートサイトの設定、2)ストーマ孔の楕円皮膚切開内へのポート留置、3)腹腔鏡補助下腹膜外経路の作成、の3点である。8例の術後成績:早期には合併症なくストーマケアも容易であったが、晩期においては、腹腔内経路の2例で再手術を要した。内訳は、内ヘルニア1例、ストーマ妾ヘルニア嵌頓1例。ストーマ造設を伴う腹腔鏡下大腸手術は、ポートサイトの工夫で、ストーマケアがより容易になったが、癒着が少ないが故に内ヘルニアのリスクが高く、腹膜外経路による造設が望ましいと思われた。