日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
特集 ビデオシンポジウム 「ストーマの造設と管理 ―われわれのやり方―」
【研究報告】ストーマ関連合併症ゼロを目指したストーマサイトマーキングとストーマ造設術
川原 大輔池田 真弓
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2022 年 38 巻 3 号 p. 116-120

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抄録

【目的】当院におけるストーマサイトマーキング法とストーマ造設法を動画で供覧するとともに、その方法で造設したストーマにおけるストーマ関連合併症に関して検討する。

【方法】2012年1月から2016年12月に当科でストーマを造設した患者を対象にストーマ関連合併症に関して、患者因子と手術因子の面から後方視的に検討した。

【結果】対象患者は77例で、年齢中央値は70歳(範囲44-93)、男性54例(70.1%)であった。そのうち31例(40.3%)にストーマ関連合併症を認め、ストーマ脱出(10.4%)が最も多く、続いてストーマ周囲皮膚障害(9.1%)、傍ストーマヘルニア(9.1%)であった。ストーマ関連合併症の発生率は、結腸ストーマの30.0%に対して回腸ストーマは59.3%と有意に高かった(p=0.016)。

【結語】回腸ストーマはストーマ関連合併症の危険因子であった。ストーマ関連合併症を減らすには、ストーマ造設手技の工夫やストーマケアチーム介入によるストーマ管理が重要と考える。

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© 2022 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
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