主催: 日本デザイン学会
デザイン思考、特に創造的思考過程としてのその特徴について理解する目的で、デザインの知識獲得過程に着目する。これまでの実験に基づいた思考経路モデルをふまえ、その動的な構造化のプロセスを把握するため、各フェーズの関係をより詳細に追求する考察をおこなった。本研究ではデザインの創造的思考過程における「意味生成」的探索をおこなっている段階について取り上げ、その構造を言語的な解釈のプロセスとドローイングなどにみられる視覚空間的な類推の動的関係としてとらえ、モデル化することを試みる。そのための有効な手がかりとして、デザイン教育においてどのようなやりとりが教育者と学習者の間でおこなわれているかを観察研究し、両者の間での情報のインタラクションを協調的デザイン創造のプロセスとして位置付け、メタファーや洞察がどのような要因で創造性に結びつきうるのかを分析する。本研究では、実践の場からのデータに基づく理論的アプローチにより、デザインにおける創造性がどのような構造とメカニズムを持つかを探ることで創造性を協調的に支援するための手がかりを得ることを目指した。