日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第50回研究発表 50周年記念大会
セッションID: A-17
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空間デザインのグループワークにおけるブレインライティングの有効性に関する考察(その2)
主成分分析による属性比較と全体プロセスからみる発想法援用グループの優位さの要因について
*平尾 和洋滝川 淳
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抄録

第1報では、「スケッチ」と「提案書」などのデータをもとに被験者の思考過程、第3者による評価と思考パターンとの関係を分析した。引き続き第2報では、評価得点を用いた主成分分析で発想法援用グループの優位さ、他人のアイデアを継承して案作成した被験者のパフォーマンス、思考パターン別の特性を検証した。また、グループ間で話し合われた内容(言語データ)を加えて、マトリクスを用いて全体の作業プロセス変化をチャート化し、グループ別比較と発想法援用の優位性の原因について考察を加えた。その結果、主成分分析では、発想法援用グループ、アイデア継承者の思考パターン被験者が優位であることが分かった。全体プロセスの概観より、発想法援用グループは自由進行グループと比較して、1話題に含まれる言語データ数、アイデアスケッチの量が多くなり、提案書作成時の下書きにおいてもスケッチによる展開が多くみられた。さらに、発想法援用による強制的な抽象思考への飛躍が、優れた思考展開である【ダイナミック展開型】や【パラレル展開型】のきっかけを与えることになり、発想法援用チームが作成した多くの提案書が高い評価を受けたことも理解できた。

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© 2003 日本デザイン学会
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