日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第50回研究発表 50周年記念大会
セッションID: B-18
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ドイツの統合大学(Gesamthochschule)におけるデザイン教育
カッセル大学とエッセン大学を比較して
*松崎 元
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抄録

本稿は、ドイツの統合大学(Gesamthochschule)におけるデザイン教育について、カッセル大学とエッセン大学の例をもとに、両校の歴史的背景・立地条件・カリキュラム等について比較し、統合が進む昨今の日本の大学のために何らかの教訓を得ようとするものである。カッセル大学はドイツ中部のヘッセン州に位置し、1971年に複数の単科大学を統合して設立された。カッセル市は5年に一度、現代アート展「Documenta」が開催されることでも有名で、かつて柳宗理氏が前身のカッセル美術学校に一年間招聘されたことでも知られる。一方エッセン大学は1972年に統合され、インダストリアルデザイン専攻ではウルム造形大学で助手の経験を持つStefan Lengyel氏が教授を務めている。どちらの大学も美術専攻の学科が他の専攻と比較して古い伝統を持つ点では共通している。エッセン大学が全ての専攻を一つの敷地に集めたのに対し、カッセル大学ではいくつかの専攻で、街全体に校舎を散在させる形で残し、かつての建物をそのまま利用している。こうした類似点と相違点を踏まえ、教育内容についても比較することで、更にその特徴から日本におけるデザイン教育への提言をまとめる。

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© 2003 日本デザイン学会
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