主催: 日本デザイン学会
研究の背景と目的:1987年国鉄が民営化され、様々な変化がおきたが、店舗の増加は中でも顕著である。それに加えて新線の導入、昇降機等の追補的敷設は、構内空間の拡張と複雑さを増した。今回は、現在実施している交通機関におけるサイン研究のプランを報告し、また把握した案内サインの問題点を報告する。研究プラン:直接の研究対象は東京、上野、新宿のJR3駅である。以下の5点を軸に研究を遂行した。(1)空間構成、空間利用の把握ならびに各種サインの設置現況とデザインを記録。並行して国内外の類似施設も調査。(2)複数の交通機関サインマニュアルを分析。(3)駅利用者と駅職員へのアンケート調査。(4)アイカメラを用いた利用者の目的地探索調査。(5)客観的根拠に基づく改良案策定及び新案の優良性を示すための実験。案内サインの問題点:問題点は以下の5点にまとめられる。(1)広告と案内サインの混在と案内サインの視覚的非優位性。(2)案内サインの情報整理と伝達場所の不適。(3)色覚障害者及び景観に不適な色彩。(4)判読困難なフェイスデザイン。(5)空間と不均衡なサイン形式。