本研究では、あるテーマに関する情報をどの範囲にわたってどの程度の詳細さで表現するかを情報の解像度と定義する。ディジタル環境では、その特性を活かすことによって、非常に高解像の情報表現が可能である。ユーザーは情報に対して、画格の変化とフレームの移動という操作を行うことで情報を閲覧していく。このプロセスが情報とユーザーの間に自然な関係を構築するものと考える。今回は試作としてポスト印象派の画家の自画像をきっかけとして、それぞれの絵画作品を鑑賞するインスタレーションを制作し、これを通して解像度を利用したディジタルコンテンツを実現するための要件を検討した。画格の変化については実現したが、情報の質的な変化については今後の検討課題である。