抄録
人が暮らす環境には様々な情報があふれている。情報を効果的に伝達するためには、情報を発信する側の物理的特性を知るだけでなく、情報を受容する人の特性も知る必要がある。本研究は、実空間内に配置された情報に対して、ユーザの特徴的な場面を想定し、視線と振る舞いを計測した結果から、効果的な情報提示の方法について、事例を基に検討した。具体的には、ある銀行の試験店舗を利用し、店舗内に入店してからATMを利用し退店するまでに、店舗内に配置されたサインや広告へ向ける視線をアイカメラで記録すると同時に、振る舞いをビデオ映像で記録した。視線は停留回数と時間に、振る舞いは頭部運動に着目した。視線を分析した結果、空間内のある位置における視対象を特定できるだけでなく、視対象が有する情報としての役割と視線の停留回数・時間の関係を考察することで、情報提示の問題点を抽出できる可能性を示唆する結果を得た。また、振る舞いの分析結果から、人にとって自然な状態で情報受容できる方法を示す結果を得た。