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本研究では、公共空間における人の行動の中でも、ある一定の空間に一定時間留まる行動である滞留行動に着目し、滞留行動と空間および装置類との関係を探り、両者のより良い関係を築くための計画手法の確立に向けて考察を行うことを目的とする。 福岡市美野島地区をケーススタディとして研究を進め、フィールド調査、物理量調査、アンケート、行動観察調査を行い、滞留空間を空間構成および装置分布とに類型化し、両者の関係を導き出し1つの体系化された表にまとめることができた。 最後に、まちづくりにおける課題解決に向けた考察として、公共空間の設計手法についての提案を行った。研究により導き出された公共空間における行動と空間および装置類との関係を利用し、利用者である住民とデザイナーとの間のイメージの共有を容易にすることで、よりスムーズな計画の進行を実現することができる。