抄録
本研究は,使いやすい製品やサービスのための人間中心設計(UCD)手法を拡張してより総合的なデザインアプローチを提案することを目的とする。
対象となるユーザーの表現をできるだけ実在の人物のように精緻に描写するペルソナ手法を活用したUCDの導入を提案する。その理由として,対象となるユーザー像のとらえかたが,商品開発に関わる多くの人にとって,あいまいでなく明確になり,ユーザー情報を具体的で厳密な記述と顔写真など組み合わせて活用することにより,多くの開発関連者に分かりやすいという特徴があるからである。ここでは,ペルソナ手法について,その意味を確認するとともに,ペルソナ構築手法とUCDにおけるペルソナの活用方法を提案する。