本論文ではリサーチを取り入れたワークショップの事例を紹介し、リサーチの方法と効果に関する以下の提案を行う。 1.必要な観点を示したワークシートを用いてリサーチを行うことで、リサーチの専門家でない人も容易に有効な気づきを得られることができ、また、結果の共有・議論が容易になること。 2.情報デザインにおいて、アイディアが求められている領域と異なる領域を参考にする際にも、このようなリサーチの手法が有効であること。 私達は実際に、カフェという空間を題材にし、そのリサーチから情報デザインに応用可能なコンセプトを得るためのワークショップを行った。ワークショップを実施し、他の領域にヒントを得ることで、デザイン対象が持つ既存の枠組みをはずし、新たなアイディア提案が行われたことがわかる。このことから、ある領域をリサーチすることで他の領域に使えるアイディアを得ることができることを確認した。また、ワークシートの可能性と今後の改善案を考えることができた。今後も、リサーチを通じたデザインの可能性を拡大する取り組みを進めてゆきたい。