日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第56回研究発表大会
セッションID: A11
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創発デザインおよび最適デザインにおけるトップダウン
*佐藤 浩一郎松岡 由幸
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抄録

デザイン過程は,デザイン上流過程と,デザイン下流過程の2つに大別される.これらは以下の異なる特徴を有している.まず,上流過程においては不明確なデザイン目標や制約条件のもと,デザイナの経験に基づく知識や直観を用いて,広い解空間から多様なデザイン解候補やデザイン解の探索が試行錯誤的に行われる.そして,下流過程においては明確化なデザイン目標や制約条件のもと,合目的に狭い解空間から唯一のデザイン解の探索が行われる.この下流過程は,デザイナの直観に依存する部分はあるものの,最適化法やCADなどの活用によりデザイン行為に合理化がもたらされている.一方,上流過程は,いまだその多くをデザイナの直観に依存しており,大域的な解探索を可能とする数理手法や,それを前提とした逆問題の解法を可能とする設計研究の進展が必要とされている.本報においては,このようなデザイン上流過程およびデザイン下流過程に適用可能な人工物デザインとしてボトムアップとトップダウンを含む「創発デザイン」とトップダウンのみを含む「最適デザイン」の概念を示し,それぞれのデザインにおけるトップダウンの特徴とその違いを示した.

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© 2009 日本デザイン学会
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