日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第56回研究発表大会
セッションID: B01
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観察から抽出したデザイン課題の再生・共有支援手法
注視点付きシーン動画による再生・共有
*柳澤 秀吉小塚 保英松永 将之村上 存
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抄録

観察法は,製品開発プロセスの上流段階においてアンケート等で言語化困難な要求や意識化されない潜在的なユーザニーズを抽出する方法として重要視されてきている.観察法では,デザイン対象の使用状況を観察し,ユーザの無意識的な行動や人工物とユーザの関係性を手掛かりとしてデザイン課題を抽出する.観察法によって抽出できるデザイン課題は,観察者の認知の限界,知識,洞察力などに依存するが,これに対する支援技術や手法に関する研究は少ない.そこで本研究では,まず,観察の現状を実地調査し,観察,記録,再生,共有のそれぞれのフェーズにおける課題を整理する.そして,各課題を解決するための,観察プロセスの提案,および支援システムの設計を行う.提案プロセスは,観察時の見落としを最小化するため気づき時のタイムスタンプのみを記録させ,観察後にシステムによってタイムスタンプ周辺における観察者の視線付き動画の提示により気づきを再生させ問題を記述させる.複数の観察者間で気づきを共有するため,気づきの時刻が相補関係になる視線付き動画を提示する.観察支援システム実装し,キッチン環境におけるユーザ観察に適用して実効性を検証する.

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© 2009 日本デザイン学会
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