人材的な面や時間的な面で余裕のない中小企業の現場では,企画や製品コンセプトの立案に時間を割くことが難しく,また,そのような経験者も少ない。そこで,製品開発の経験が少ない設計者でも論理的に製品開発が行える手法として,ヒューマンデザインテクノロジー(以下,HDT)が提唱されており,中小企業での活用事例も報告されている。
HDTは「人間に関する諸情報(生理,心理,認知,行動など)をデザイン要件(ヒューマンリクアイアメント)に変換し,製品の企画からデザイン,評価までのプロセスに反映させ,人間優先の魅力ある商品作りに寄与する技術」と定義されており,経験が浅い技術者でも製品開発が可能な方法として,中小企業の現場でも活用されている.しかし,GUI特有の設計条件である画面の流れ(以降シーケンス)や階層構造の可視化方法 については言及されていない.そこで本論では,HDTを活用したGUI設計方法について述べる.