日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第58回研究発表大会
セッションID: B17
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製品音の感性品質に対する環境音と使用文脈の影響
*高橋 治輝柳澤 秀吉勇木 徳人
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抄録

今日、製品音は騒音としてだけでなく、製品の魅力品質の一つと捉えられ、デザインの対象となりつつある。それに伴い、音のデザインに必要な指標を得るために感性評価実験が行われてきた。その多くは、人間と製品音の物理的属性との関係を明らかにすることに主眼が置かれている。しかし,製品音の知覚は、Loudness・Sharpnessなどの製品音の特性だけでなく、背景音にも影響される。また、製品を使用する文脈も、製品音の感性評価に影響する。
本研究では、実験環境での感性評価実験の結果をより実環境での感性評価の結果に近づけることを目的とする。そのために、実験室環境と環境因子を付加した環境でどのように感性評価が変化するかを調べる。
実験の結果、静音の製品音に対し背景音と文脈を考慮する必要性とその傾向を明らかにした。例えば、静音の製品音は文脈効果が存在すると、使用環境でより静かに聞こえることが分かった。これにより、静音の製品音は文脈によりさらにその魅力を増す可能性が示唆される。また、文脈による効果の大きさを製品音の特性(TNR)により制御できる可能性を示した。

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© 2011 日本デザイン学会
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