本研究では、家庭でのオンラインショッピングや実験室内での刺激提示実験などで、閲覧者の閲覧対象に対する評価が、閲覧者(被験者)の明確な意思表示が伴わない部分に含まれていると考えた。また、人間が人間同士で行なっているコミュニケーションに含まれるノンバーバル要素に着目した。そして、人間は、情報表示機器に対しても無意識な行為を通して、何らかの情報発信をしているのではないかと考えた。そこで本研究では、人間がディスプレイ上に表示される刺激の閲覧の際に、【興味のあるものに対して身を乗り出す】、【首をかしげる】といった無意識の行為が、興味の対象に対する印象(ネガティブな印象なのか、ポジティブな印象なのか)を判断する指標になり得ると、仮説を立てた。以上の仮説に基づき、被験者が興味のあるコンテンツとそうで無いコンテンツを閲覧している際の無意識の行為の違いの計測を目的に、視線計測装置に実験刺激を表示しながら、被験者の操作の記録、被験者の視線の計測を行なう実験を実施した。本稿は、仮説検証の為に実施した実験の報告である。