本研究は企業の開発プロセスにおける、コトづくりの方法の有効性を明らかにすることを目的に行われた。 研究対象として、自分で答えを見つける検索空間を提供するスマートフォンアプリ「way」の開発プロセスを紹介する。
おでかけサポートアプリ「Way」は外出先で、今いる場所の近くにある魅力的なスポットやイベントを推奨し、ユーザーの行動に「ゆらぎ」(予定外の行動目的)を提供する。
デザインプロセスの中で、いくつかの選択肢の中から今の自分の気分や状況(場所、時間など)に合うものを選ぼうとして悩むことが楽しいという発見があったため「ゆらぎ」がキーワードとなった。
そして本研究の結果、コトづくりの方法として作文法とアクティングアウト法の有効性が明らかになった。1つは、ユーザー自身が気づいていない未知のニーズを満たすサービスのコンセプト作りに有効である点である。更に、チームメンバー同士で共通認識を持てることやコトづくりの方法を活用できる人材育成にも有効であることが明らかになった。