本研究では、地域で取り組むグリーンカーテン栽培活動を通して住民の協働意識がどのように育まれるか、家族や参加者同士のコミュニケーションとしての会話頻度などを明らかにするために、札幌市南区芸術の森地区の住民を対象にしてアンケートおよびヒアリング調査を行なった。その結果、以下の1)~3)がわかった。
1)地域で取り組むグリーンカーテンの栽培活動は、地域に対する愛着だけでなく、地域資源の醸成に寄与する。
2)グリーンカーテンが窓・壁面を50 ~ 70%覆っている世帯では、家族や近隣との会話頻度は高い。
3)グリーンカーテンの壁面被覆度が高い世帯は、活動年数に関係なく地域活動への参加率が高い。
グリーンカーテンを育成するのが得意な住民は、グリーンカーテンで得た楽しみを地域で共有しようとする協働の意識が高く、地域活動が継続するための核になり得る人材と考えられる。