日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
セッションID: A9-06
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他者理解のためのコミュニケーションデザイン教育の試み
ー他者とのデジタル絵本の共作を通してー
有賀 妙子森 公一真下 武久
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抄録

他者や社会の問題に気づき、理解する力を育み、自己の変容を促すことをめざす教育プログラムを提案する。価値観や背景の異なる他人と出会い、その他者といっしょに「表現する」行為を通して、相手への理解と共感を深める教育プログラムである。他者理解はすべてのデザインに必要となる基本であり、またデザインを専門とする学生のみならず、多領域の学生にも必要であり、さまざまな専門分野へ進む前段階の、プレデザイン教育として位置づけられる。具体的には、ホスピスの子供や自由に動けない高齢者をパートナーとし、インタビューし、共に物語を作り、それをデジタル絵本とするプロジェクトを行う。「共同制作者」として、パートナーと学生の双方が創造性を発揮し、作る喜びを共有するプロセスである。一般に支えられる立場の弱い存在と考えられる人々が持つ独自の内容をもとに物語をデジタル絵本として表現することで、生死や社会の様々な問題と関わるコンテンツになる可能性がある。制作物を共有し、かつ公開するためのWebアプリを開発した。それを用い、実験的実践を行ったので報告する。

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© 2015 日本デザイン学会
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