本研究は、企業におけるデザインプロジェクトを分析して、地域産業の活性化や大学のデザイン教育に役立てようと試みるものである。企業で行われている製品デザイン開発プロセスを応用し、地域産業でのデザインプロジェクトや産学共同プロジェクトを通じたPBL(プロジェクトベースド・ラーニング)の中で活用する方法論について考察した。
「プロダクトデザイン」で提示されている標準的なデザインプロセスと企業における製品開発プロジェクトのデザインプロセスを比較、分析し、重要と思われる要素を抽出した。大企業と地域の中小企業の製品開発は、規模は異なるが、いずれも事業の発展を目的とするものであり、商品を企画し製造、販売する中で、デザインプロセス上の各要素は同様である。地域の中小企業とのデザインプロジェクトや産学プロジェクトのPBLでこれらの要素を展開し、応用しながら、デザインプロセスや手法の確立と地域産業の活性化に貢献することを目的とする。