ワークショップ(WS)においてオーガナイザーはどのような立場で何を行えば良いのだろうか。本研究では、社会の実問題を扱う「社会課題型WS」が類似した条件の下で行われた京都大学サマーデザインスクール2016に対し、数理的な方法でこの問題に取り組んだ。ワークの内容を行なうためのオーガナイザーの振る舞いに着目し、35のWSにおいてアンケート調査し、パターン分析して自己・他者評価との相関を調べた。その結果、5つのパターンを仮定した際に最も解釈可能な結果が得られ、「知識提供型」は自己評価と0.5前後の、「議論参加型」は自己評価と0.3程度の、「参加者支援型」は他者評価と0.5程度の相関が見られた。また、解析の過程で各WSのプロセスや、WS群の全容を大づかみに把握する可視化の手法を得た。社会課題型WSは企業のみならず大学教育や初等中等教育の現場でもアクティブ・ラーニングの一つとして取り入れられている昨今、講義時間内で行なわれるWS的な授業群など、時間と内容がある程度統一されたWS的な営みの可視化へも適用できるなど、多くの応用が期待できる。