日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
セッションID: D1-02
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デザイン、街に出る 5: 旅するデザインの道具としてのドキュメンテーション
活動の視覚化、省察、共有、発信のためのスクライビング手法
原田 泰
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抄録

本研究では、2つの事例で行ったRTD(real time documentation)から、その表現方法と必要なスキルについて検討した。

デザインワークショップでのRTDでは、複数の記録者がそれぞれの視点から表現したドキュメンテーション成果物を比較することで、記録方法やメッセージの取り上げ方についての共通性や差異、資料共有のための方法や読み解くための留意点などについて検討した。デザインイベント内でのプレゼンテーション記録RTDでは、RTD初心者のスキルアップの過程を追うことで、RTD人材育成のための視点と方法について検討した。
ワークショップではフィールドワークからディスカッション、表現活動、プレゼンテーション、振り返りまで、6日間に渡る活動のすべてを記録・表現し、これらをそのまま冊子化することで、報告書の体裁にまでまとめることができた。イベントでは、発表者ひとりに対し模造紙一枚の情報量で、すべての登壇者のプレゼンテーションと質疑を資料化することが出来た。
これらの事例の中で、スクライバーそれぞれの個性や、初級者のスキルアップ過程を確認することができた。これらを踏まえ、客観的な記録ではなく、編集者によって構成された記録資料としてのRTDの活用を、「旅するデザイン」手法の中で検討していく必要性を見出した。

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© 2017 日本デザイン学会
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