抄録
本研究では,動物園等の展示施設において,来園者の印象の変化を視覚化し,その傾向を多角的に分析するための手法の開発を目的としている.横浜市立金沢動物園の協力を得て,動物園の観覧ルートに沿って観察ポイントを設定し,それぞれのポイントで体験した印象をカラーの付箋紙に記入してもらい,マップと対応付けることで主観的な印象をカラー濃度でのマップとして表すことを試みた.また,カラー濃度マップを参照しながらイラストマップを作成し,2つのマップを組み合わせて見ていくことで,展示施設で体験した印象の分析を試みた.実験は2回実施し,それぞれの結果を比較したところ,「動物園を訪れた季節」と「動物園に行った回数」によって違いがあることがわかった.今回の分析方法を用いることで,来園者が体験した印象を多角的に分析することが期待できる.