日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
セッションID: A4-04
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歴史文化遺産を活用した広域周遊観光テ゛サ゛インに関する一考察
*都甲 康至
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抄録

広域周遊観光によって地方都市の活性化を図ることは重要で, 地域資源としての歴史文化遺産は観光計画の立案に多いに参考になる。しかしながら, 観光計画に関与するデザイナーや自治体などの関係者は, 必ずしも古代史や考古学などの専門家ではないため, 彼らにとって, 必要な資料や文献を探索したり, 古代の史料を体系的に把握することは決して容易ではない。そこで本稿では, 日本古代を事例として, 広域周遊観光デザインの新たな視点と意義などについて考察した。結論として, 広域周遊観光デザインは, 先人の研究成果をデザイン素材として活用し, その中から新たな関係性(地域の価値や物語など)を見出し, 一定の地域と期間において, 顧客が興味を持ち, 満足するような何らかのテーマ性のあるサービス(仕組み)を設計し提供するであるという新たな視点を提示した。また, 観光デザインは地域ブランド創生とも密接な関係があり, 当該地域の由来として歴史文化を知ることはもちろんのこと, 遺産としての価値を正しく認知あるいは再発見して, その価値を向上し、活用していくことの重要性と, 散策型周遊観光は高齢者の健康の維持と改善に貢献する可能性があることを提示した。

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© 2019 日本デザイン学会
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