本研究では、産学官連携型のプロジェクトにおいて、近年、若年層を中心に人気が高まる屋外ライブ・イベントと協働することで、広く一般社会へプロジェクトの実績を発信しきれていない広報力の弱さという課題解決の新たな一助になるのではないかという仮定のもと、福岡市天神の複数会場で大々的に行われる屋外ライブ・イベントMUSIC CITY TENJINを実験基盤とし、本イベントの中で行われる音楽コンテストRoad To MCTのグランプリ受賞者の楽曲を用いて、長住小学校をロケ地としたミュージック・ビデオの制作と実践研究を進めている。本研究は現時点で途中段階ではあるものの、ミュージック・ビデオの完成と上映会を通して、本プロジェクトに参加した長住地区の小学生や父兄、関係者の意見から、地元での映像制作に参画することで、子供達に物を作ることの達成感と「わが町 長住」としての自覚を促し、普段、何気なく見ている周囲の風景が映像化によって異なる風景に見えるという新たな視点を子供達の中に育む教育効果が得られたと考える。