日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
セッションID: P1-09
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義眼をつける子どもたちのための眼帯
*赤井 愛三浦 凛樹
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抄録

疾患や事故により眼球を失い、乳幼児期から義眼を装用する人がいる。その数は多くはなく、また義眼装用そのものは視覚障害に該当しないこともあり、義眼ユーザを支援するプロダクトは未だ充実していない。特に眼帯は義眼を着ける子どもにとって身近な存在であるが、現在は晴眼児への眼帯使用が推奨されていないことから小児用眼帯という位置づけの製品はほとんど存在していない。そこで本報では、長時間装用を前提とした小児義眼ユーザのための眼帯シリーズを提案する。まず義眼使用当事者やその保護者へのヒアリング調査を実施し、主な使用場面とそのニーズをまとめたマトリクスを作成、求められる要件を整理した。これを元に、複数回のプロトタイピング及び当事者の試用を経て、最終的な提案として、(1)通気性 (2)フィット感 (3)肌ざわりの良さの3点を満たす4種類の眼帯(A)『メガネ型眼帯』/B)『応急処置用眼帯』/C)『通園・通学用眼帯』/D)『おでかけ用眼帯』)を制作した。今後は製品化や型紙の公開など、当事者が入手しやすい状態をつくることを目指し改善を進める。

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