1993 年 1993 巻 96 号 p. 39-46
近年、自動車デザインの成熟化、上流化傾向に伴い、自動車開発のより早い段階において、企画者、デザイナー、設計者の三者により、その自動車のコンフィギュレーション(Configuration ; 車両レイアウトおよび大まかなプロポーションを指す)がその自動車の性格やコンセプト、他社車の傾向などを考慮して取り決められるようになってきた。そこで、今回の研究では、自動車のコンフィギュレーション解析を目的とし、それがどのような因子で司られているのかを分析すると共に、エクステリアのバランスに基づいたニューラルネットワークによるボディ本体からのキャビン形状の推論モデルと、重回帰式によるインテリア項目からのキャビン形状の推論モデルを定義し、シミュレーションを試みた。その結果、自動車全体のコンフィギュレーションは、線形的な思考(重回帰式でよく表せるもの)によって定義されるものと、非線形的な思考(ニューラルネットワークでよく表せるもの)によって定義されるものを含んでいることが分かった。