1994 年 41 巻 2 号 p. 1-8
近年ストリート・ファニチャー等,外部空間やパブリックスペースに置かれる都市装置が多く設置されるようになってきた。必ずしも人間の行動とスムーズに対応しているとは言い難いものも多い。それは,一方では装置そのものが,外部空間等における人間の動きに対応した利用に向いていない面があるとともに,他方では,装置とそれをとりまく空間との対応に欠けている面の両面がみられるがためである。そこで,本研究では,外部空間(又は,パブリックスペース)において,都市装置が人間行動とどのように対応しているかを調べることにより,外部空間(またはパブリックスペース)における都市装置と人間の行動との対応関係への展望を探り,次のことを明らかにした。空間が異なれば,それぞれに置かれている装置の利用状況が異なること。また,人間の利用目的によって,装置群により様々な場が形成されること。さらに,パブリックスペースにおける行動頻度の高い座行動から視野景観の特長が抽出できること。