デザイン学研究
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我が国における中世の台鉋 : 16世紀末および17世紀初期の台鉋を事例として
大田 尚作
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2001 年 48 巻 3 号 p. 87-94

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抄録

本研究は、わが国における実物資料としては現時点でもっとも古いとされている16世紀末の木製台鉋1丁と、17世紀初期の木製台鉋4丁についての実測調査をおこない、台座寸法および甲穴形状などの類似点・相違点に着目し考察をおこなったものである。その結果、以下の点を明らかにすることができた。1)台座については最大の台鉋でも台長218mm・台幅44mm・台高が26.5mmの小型であることが明らかになった。2)各部位の最大寸法差については、台長11mm・台幅6mm・台高7.5mmであり、5丁ともにきわめて近似していることが明らかになった。3)2口の甲穴を有する台鉋3丁の実測結果から、三種類の甲穴形状が存在することを明らかにした。この三種の形状から、一種を初期の甲穴と仮定し、この改良型として二種が生まれた可能性があることを示した。4)5丁の内1丁に台尻部上面に四角穴が穿たれた台鉋の存在を明らかにした。その目的について把手用の差込穴である可能性を示すことができた。

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© 2001 日本デザイン学会
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