デザイン学研究
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スケッチスキルの構造モデルを用いたデザイナーのスケッチ分析
─デザインの発想過程における表示技法の役割とその効果に関する研究(2)
伊豆 裕一佐藤 浩一郎加藤 健郎松岡 由幸
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2013 年 60 巻 4 号 p. 4_61-4_68

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抄録

デザインの発想におけるスケッチの活用には,様々な効果が示唆されている.しかしながら,従来の研究では,それらの効果に対する,透視図法や曲面表現などのスケッチスキルの影響については明らかにされていない.筆者らは,プロダクトデザインにおける,スケッチスキルのデザインの発想に対する役割とそれぞれの効果の解明を目的に,一連の研究を進めてきた.前報では,学生によるスケッチスキルの修得プロセスの分析結果をもとに,スケッチスキルの構造モデルを提案した.本稿では,このスケッチスキルの構造モデルがデザイナーのスケッチの分析においても有用であることを検証した.具体的には,デザイナーと学生が同一課題に対して描いたスケッチの差異を比較した.そして,その差異と,デザイナー間における差異を明らかにすることで本モデルの有用性を示した.さらに,デザイナーによるスケッチの解析結果により,スケッチスキルとデザインの発想は,互いに影響を及ぼし合う可能性を示した.

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© 2013 日本デザイン学会
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