デザイン学研究
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トヨタ自動車のデザイン組織とデザイン手法の変遷
林 孝一御園 秀一渡邉 誠
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2014 年 61 巻 2 号 p. 2_17-2_26

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抄録

 トヨタ自動車のデザイン部門の現在までの組織やデザイン手法等の変遷を5つのフェーズに区分し解析した。第1フェーズは1933~'48年でまだデザイン組織やプロセス、手法も無い期間であった。第2フェーズは'48~'56年で工芸係が誕生したがプロセス、手法はまだ試行錯誤を繰り返していた。第3フェーズの'56~'73年は'56年の米国アートセンターの来日デザイン講習会でのデザイン手法と材料に衝撃を受け、その手法を吸収しデザインの組織も確立していった。第4フェーズの'73~2003年は海外や国内にデザイン拠点を拡大した時期であった。また車種の多様化で'92年には効率化のための組織変更となった。第5フェーズの'03年~現在はデザインフィロソフィー策定等ブランド戦略強化の組織編成へと移行した。以上、モノ造りの組織は当初、開発手法によりその存在意義が左右された。近年は、時代と共に変化する多様化やブランドイメージ強化等の製品に求められるニーズに合わせ組織が変化したことを明らかにした。

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© 2014 日本デザイン学会
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