抄録
本研究は、台湾・南投県竹山地域において、かつて生活に不可欠であった竹素材に着目し、現存する生活用具や建築材料、習慣、信仰などについて、生活文化的、道具学的視点から現地調査を通してその特質を明らかにし、竹素材の利活用がいかに人びとの暮らしを支えてきたかを検証した。
調査対象地域は、標高の違う大鞍里(Da-an Vlg.)、田子里(Tianzih Vlg.)を含めて6集落とした。調査の結果、それらの地域における竹具や竹具づくりに内包される伝統的生活文化・生活技術の特質として、適材適用、手技の探求、地産地消、象徴性・真正性を導出することができた。すなわち、当該地域における竹と生活文化の関わりにおいて、自然や風土に働きかけ、合理的で最適な自然資源活用のあり方を求め、環境や実状に応じて最善の処置を講ずるものづくりの理念を明らかにすることができた。