デザイン学研究
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触知と把握の動作を誘導する「能動アート」による気分の変化
-「花火を描こう!」プログラムの心理的効果と小児医療施設での実践
吉岡 聖美
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2015 年 62 巻 4 号 p. 4_77-4_84

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抄録

 本研究では,触ったり握ったりする動作を誘導する「能動アート」プログラムを実践することによる気分の変化を調査する。「花火を描こう!」は,タッチパネルを触ったりエアゴムを握ったりすることによって,花火を打ちあげた風景の絵はがきを作成することができる創造的な作業による「能動アート」プログラムである。「花火を描こう!」を実施することによる気分の変化を,気分プロフィール検査(POMS)短縮版によって調査する。プログラム後の気分はプログラム前に比べて,「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「怒り-敵意」「疲労」「混乱」が有意に低下し,「活気」は保たれ,気分が改善することが示された。加えて,「花火を描こう!」のプログラムを小児医療施設において実践して評価した結果,入院患者の気分が改善することが示された。

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© 2015 日本デザイン学会
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