2017 年 63 巻 5 号 p. 5_69-5_74
本研究では,デザイン解の実用性を高めるため,デザインコンセプトから連想されやすい情報を呈示することによるデザイン支援の妥当性を検証した。まず予備調査において,目的とするコンセプトから連想されやすい対象とその特徴についての情報が収集された。次のデザイン実験では,呈示される情報を参照してハンカチのデザインを行う群と,情報の呈示なしにデザインする群が設けられた。最後に評価実験において,デザインされたハンカチが目的としていたコンセプトをどの程度達成しているか評価された。その結果,情報による支援を受けたデザインの方が,そうでないデザインよりも目的の印象をより喚起できることが観察された。これらの結果から,コンセプトから連想される情報は,一般的な感性を考慮したデザインに有効であることが示唆された。