デザイン学研究
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VRにおける空間的サインを認識する能力の個人差
―空き地とランドマークの違いについて―
西應 浩司入潮 裕子横山 広充宮岸 幸正
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2017 年 63 巻 6 号 p. 6_19-6_26

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抄録

 格子状街路における空間的サイン(空き地、ランドマーク)の効果の個人差を知るため、VRによる街路を使用した経路探査の実験と、スケッチマップを描画する調査を行った。被験者の属性は、方向感覚が優れている者と劣っている者である。その結果、属性によって空間的サインを利用する方略と、心的回転によって記憶にかかる負荷の軽減効果に属性差があることが分かった。また、2つの属性にとって、定位にはランドマークより空き地の方が有用なことが分かった。しかし、空間的サインは使用者によって効果が異なる可能性がある。今後、VR空間において空間的サインの種類と有効性を考えるためには、使用者の属性に関する調査が必要であることが分かった。

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© 2017 日本デザイン学会
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