2017 年 64 巻 1 号 p. 1_49-1_58
ファッションデザイン画の制作行程における着色は、テキスタイルが近年多様に変化し、ディテールが複雑化しているため、デザイン画指導においてもその表現が重要になってきている。特に透けるテキスタイルは多くのデザイナーが取り入れ、学生がデザインする機会も増加している。そこで、美大生と異なり絵をほとんど描いた経験がないファッションを学ぶ学生へ向け、ファッションデザイン画制作における透けるテキスタイル表現の教材開発を目的とした表現方法を検討した。その結果、透けるテキスタイルの重ね着による見え方をファッションデザイン画として制作するためには、そのデザイン的な特徴を視覚化して伝達力を高めていくこと、又それを身近にある画材でいかに表現するかが重要であるという考察に至った。この検討結果を活かした手法は、特別授業「ファッションイラストレーション2015」内における着色技法の講義において実践することができた。