デザイン学研究
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中国河南省楊玘屯の生活にみられる土の活用実態
―地域特性を活かした資源循環型ものづくり「泥咕咕」の文化(2)
王 甯植田 憲
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キーワード: Nigugu, Yangqi Village, Soil, Practical Use
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2018 年 65 巻 1 号 p. 1_71-1_80

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抄録

 本稿は,中国楊玘屯における土の概念,土の種類に応じたものづくりの分布,家屋における土の利活用,ならびに泥遊びから,それぞれ泥咕咕との関わりを読み取り,また日常生活という視点からみた土の活用を明らかにしたものである。得られた知見は,概ね以下の通りである。(1)楊玘屯の人びとは,当該地域で入手可能な土に関する知識体系を共有している。村の境界,地区別の呼び方,土の採集場所,さらには土に付与されたさまざまな名称からは,人びとが土が有する諸特性に綿密な注意を払い,泥咕咕に導入し得る弁別に対する関心をもってきたことが分かる。(2)土の特性は地区によって異なるが,人びとは自らが居住する地区の土の特質を活かす工夫を展開してきた。西部においては豊富な膠泥を用い泥咕咕がつくられ,膠泥の少ない東部においては,土を他の多様な素材と組み合わせた手工芸が創出されてきた。(3)人びとは,土という資源の利活用の知恵を創出し日々の生活に巧みに取り入れてきた。土の多様な変化・応用を通して,人と自然と共生し,人と人の関係がつながり,さらに人びとの心が結びつけて緩やかな住み心地のよい生活空間が構築されてきた。

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© 2018 日本デザイン学会
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