2019 年 66 巻 1 号 p. 1_29-1_38
本研究では,観光及び特産品に焦点を当て,観光入込客数,特産品検索件数,観光指数及び特産品指数という4つの評価指標を扱い,都市魅力のパフォーマンスの度合いを定量的かつ簡易的に評価する都市魅力評価指標の開発を試みた。この都市魅力評価指標をもとに,国内38 都市における平成22 年と平成27 年での[体力][生産性]の差異や推移の関係を分析し,その有用性を検証した。
また,都市魅力評価指標を用いて,松江市と津市,静岡市と青森市の2ケースを取り上げ,自然,歴史・文化,温泉・健康,スポーツ・レクリエーション,都市型観光−買物・食等−,行祭事・イベントといった観光地点別に応じた6分類の観光入込客数をもとに,都市空間と自然空間の空間軸,静的アクティビティと動的アクティビティの体感軸によるフレームワークで体系化し,6分類ごとの強みや弱みを示した。とりわけ,観光政策との対応関係が分析できるものについては,シティプロモーションがその成果に表れていることや対応関係がみられないなどの事実との関係を考察した。