デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
Print ISSN : 0910-8173
ISSN-L : 0910-8173
小規模高齢者施設における介護職員の比率からみた空間利用及び介護職員・利用者の行動の特性
金 正和高窪 友樹和田 浩一畠山 雄豪
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 66 巻 2 号 p. 2_1-2_8

詳細
抄録

 内閣府は小規模多機能型居宅介護事業所(以下,小多機)と地域密着型通所介護事業所(以下,地域通所)を推進し,共に「通い」,いわゆるデイサービスを提供している。しかしながら,「通い」についてほぼ同様の基準にもかかわらず,介護職員の比率が大きく異なっている。そこで本研究では両施設にて実施している介護サービス等に特性があると仮説を立てた。その結果,以下のことが明らかになった。①小多機と地域通所では,空間利用及び介護職員・利用者の行動に軽微な違いはあるものの,概ね同様であった。②小多機と地域通所では,実施している介護サービス等のデザインにほとんど違いがなく,同様の介護を行っていた。③介護職員の比率は,地域通所は基準が1:15のところ,介護現場では小多機と同様1:3に近い比率で介護が行われていた。④基準である介護職員の比率は大きく差があるが,ほぼ同様の比率で介護が行われていたため,空間利用及び介護職員・利用者の行動においてほとんど違いがなかった。

著者関連情報
© 2019 日本デザイン学会
次の記事
feedback
Top