デザイン学研究
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自動車のフロントマスクからみたミラーレスの嗜好に関する調査
―ラフ集合による効果的なデザイン属性の評価
加藤 拓巳
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2021 年 67 巻 4 号 p. 4_25-4_32

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抄録

 新しい技術を起用する場合,それに伴いデザインが変化することは多い.その際,デザインに関する議論が不足すると,技術が不発に終わってしまう懸念がある.現在,自動車業界では,安全性に優れるミラーレス技術が注目されている.しかし,技術的な優位性は多数示されているものの,デザインに関する研究が非常に少ない.本研究では,ミラーレス技術のデザインに対する嗜好を,購入意向の観点から評価した.その結果,負の影響が確認された.しかし,デザインという感性的な対象では,多様な価値観を持つ消費者を1 つの集団として捉えることは難しい.そこで,ミラーレス技術に購入意向を有する消費者特性を評価すると,年齢が40 代以下で,自動車の情報を定期的に収集しており,購入時にデザインを重要視することが判明した.ラフ集合によって,効果的なデザイン属性を評価した結果,「バンパーが長方形かつミラーレス」等の組み合わせが抽出された.技術を生かすためにも,本研究で示した示唆は重要である.

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© 2021 日本デザイン学会
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